水産動物の鮮度と食べ頃の『見える化』装置

hokudai01
(2021/5/10現在)

北海道大学 工学研究院附属エネルギー・マテリアル融合領域研究センター

准教授 坪内 直人

提供価値

本『見える化』装置により、販売経路に携わる需要者は鮮度情報を容易に入手可能となり、また、漁業関係者も最終消費地における必要鮮度から流通経路、保存温度、保存時間などの推定が可能になる。これは、例えば漁船の燃料の削減などに直結し、さらに、本成果は食の安全性・信頼性の向上や食品ロスの削減にも結び付くと期待される。
〇社会実装への可能性
・漁業関係者および漁業関連製品(ボートや漁船など)への実装
・流通業関係者および流通業関連製品(トラックや輸送ボックスなど)への実装
・小売業関係者および小売業関連製品(低温ショーケースなど)への実装
・消費者および消費者使用製品(冷蔵庫など)への実装
特願2020-037546 特願2021-030109 PCT/JP2021/008597 台湾/110107808 「食用動物の鮮度・熟成度評価装置、及び、 鮮度・熟成度評価方法」

概 要

我々は、産業技術総合研究所と共同で、致死後の魚介類の任意部位における分解成分の濃度の経時変化をシミュレーション法により求め、鮮度と食べ頃を評価するための『見える化』装置を開発した。魚介類の産地および消費地における卸売市場では、鮮度が取引価格を決定する1つの重要な基準となっており、その評価指標としてK値が提唱されている。しかし、その値は死後の水産動物の任意の部位をサンプリングし、種々の前処理後に成分分析を行い算出するため、流通現場でのリアルタイム評価(把握)は出来ない。当研究室では、妥当なシミュレーション法による課題解決を考え、上記したような手法を用い、魚介類の種類や大きさ、死後の経過時間や保存温度などの各種情報から、鮮度と食べ頃を評価できる装置を開発し、現在その発明内容の権利化や携帯性の向上(スマートフォン等での利用)などを進めている。その成果は、SDGsのGoal8やGoal9およびGoal14の達成に貢献できる。

説明資料URL
https://seeds.mcip.hokudai.ac.jp/jp/view/388/

♯水産動物鮮度計測装置
♯食の安全性確保
♯技術革新