高温によるイネの授精失敗を回避する対策

shimaneu04
(2021/4/26現在)

島根大学 生物資源科学部 作物生物学

准教授 小林 和広

提供価値

ジャスモン酸メチルの散布によってイネの開花を1~2時間促進させて、高温による受精失敗を回避出来る

概 要

地球温暖化が日本だけでなく、アジアやアフリカの熱帯諸国にとっても重要な米生産に深刻な問題を及ぼしつつある。イネで特に怖いのは受精時の異常な高温であり、高温によって花粉が障害を受けて、受精に失敗すると結実できない。このような高温障害を避ける方法の一つが花を朝早くの涼しいうちに咲かせる方法である。イネの開花は午前中がほとんどで、1時間で終わるので、開花を少しでも朝早くできれば、高温を避けられる。植物ホルモンの一種であるジャスモン酸メチルを散布することによって、1,2時間早く咲かせることができた。しかし、この散布には花粉が成熟しないうちに一部の花を咲かせてしまう副作用があり、この問題の解決に取り組んでいる。

説明資料URL
https://www.shimaneu.ac.jp/introduction/policy/sdgs_files/13/13_10.pd

♯イネの授精
♯ジャスモン酸メチル
♯開花促進
♯豊かな社会