<地方の取り組み>新しいしごとを造る
JAREC現地レポート No.1 香川県産業技術センター(H30.7)
~地域企業の競争力強化に向けて~
IoT・AI技術を活用したものづくり支援の取組経過
我が国をはじめとした先進国では、新たな需要創出の欠如や長期にわたる生産性の伸び悩みが共通の課題となっており、これらの解決策の1つとして、第4次産業革命技術と言われているIoT・AI等の社会実装に向けた取組が展開されています。今回、香川県内の中小企業のIoT・AI技術の活用支援を進めている香川県産業技術センターの取り組みについて、同センターで担当されている企画情報部門主席研究員濱田敏弘氏、システム技術部門主任研究員多田幸弘氏にお話を伺いました。
香川県産業技術センター
取材協力頂いた濱田敏弘氏(右)・多田幸弘氏(左)
図表1 香川県内企業のIoT・AI技術活用における関心度合と取組状況
出典:参考動画IoT・AI 技術を活用したものづくり支援の検討について(香川県産業技術センター)
https://www.facebook.com/kagawa.sangi/videos/1600639963397076/
県内のIoT・AI技術の活用の現状
香川県産業技術センターでは、2017年5~6月にかけて、県内企業の製造業を中心に479社を対象としたIoT・AIの導入等に関するアンケート調査を実施。7割強の企業がIoT・AIに関心を示す一方、具体的な取り組みを進めている企業はIoTが16%、AIが5%程度に留まっていることが分かりました。
香川県産業技術センターでは、2017年5~6月にかけて、県内企業の製造業を中心に479社を対象としたIoT・AIの導入等に関するアンケート調査を実施。7割強の企業がIoT・AIに関心を示す一方、具体的な取り組みを進めている企業はIoTが16%、AIが5%程度に留まっていることが分かりました。
図表2 香川県内企業のIoT・AI技術活用に向けての課題
出典:参考動画IoT・AI 技術を活用したものづくり支援の検討について(香川県産業技術センター)
https://www.facebook.com/kagawa.sangi/videos/1600639963397076/
さらに、同調査において、IoT・AI活用に向けての課題を調査したところ、
・専門人材がいない
・コスト(投資が難しい)
・相談先が分からない
が上位を占めておりました。
・専門人材がいない
・コスト(投資が難しい)
・相談先が分からない
が上位を占めておりました。
県の支援策
上記のアンケート調査結果を踏まえ、香川県では、2018年度より、IoT・AI 技術の県内企業への導入を促進し、競争力強化や生産性向上を目指す「IoT・AI 技術活用支援事業」や「中小企業等IoT導入検討促進事業」を新規で実施しております。
具体的には、ⅰ)香川大学、産総研等の専門人材の派遣、ⅱ)IoT機器の試験導入・運用等への助成制度、ⅲ)講習会、実習を伴う研修会の開催、ⅳ)同センター内に相談窓口の設置を進めております。
さらに、同センターでは、積極的に県内企業にも足を運び、課題やニーズの掘り起こしを進めております。その中で、中小企業からは、「導入事例そのものがあることは理解しているが、大半は大手企業のもので、それをそのまま自社に適用できない。身近な事例が欲しい。」との要望を受けることが多く、今後、支援策を通じた導入・活用事例を把握し、それらを普及していくことも検討されております。
上記のアンケート調査結果を踏まえ、香川県では、2018年度より、IoT・AI 技術の県内企業への導入を促進し、競争力強化や生産性向上を目指す「IoT・AI 技術活用支援事業」や「中小企業等IoT導入検討促進事業」を新規で実施しております。
具体的には、ⅰ)香川大学、産総研等の専門人材の派遣、ⅱ)IoT機器の試験導入・運用等への助成制度、ⅲ)講習会、実習を伴う研修会の開催、ⅳ)同センター内に相談窓口の設置を進めております。
さらに、同センターでは、積極的に県内企業にも足を運び、課題やニーズの掘り起こしを進めております。その中で、中小企業からは、「導入事例そのものがあることは理解しているが、大半は大手企業のもので、それをそのまま自社に適用できない。身近な事例が欲しい。」との要望を受けることが多く、今後、支援策を通じた導入・活用事例を把握し、それらを普及していくことも検討されております。
今後に向けて~JAREC所感
濱田氏、多田氏との意見交換の中で、特に中小企業においては、①経営者の理解の必要性、②他社との差別化に向けたIoT・AI技術導入の在り方についての話があがりました。
経営者の理解については、部下に対して「何か考えてこい!」ではなく、経営者自身がある程度IoT・AI技術を理解し、適用範囲等の大枠を示している企業の方が導入・活用が上手くいっている傾向があるそうです。導入・活用事例の中で、これらの項目についても収集できると参考になるのではないでしょうか。
一方で、「身近な事例が欲しい」との要望は理解できますが、その事例をそのまま適用しても、他社との差別化にはつながりません。本来、製品・サービスによる事業化を検討する際の「解決を図りたいペインや課題」、あるいは「変革したいライフスタイル」から、そのために必要な情報・データ→IoT、AI技術を洗い出していくべきではないかとの話もあがりました。
すべての事例において、このようなステップで検討できるとは限りませんが、視野を広げた検討を行い、その企業独自のIoT、AIの導入・活用事例が増えるとよいのではないでしょうか。今年度から着手されたとのことで、今後、成果が創出した際に、再度取材してみたいです。
取材協力:香川県産業技術センター
企画情報部門 主席研究員 濱田敏弘氏
システム技術部門 主任研究員 多田幸弘氏
URL http://www.pref.kagawa.lg.jp/sangi/index.html
E-MAIL desk@itc.pref.kagawa.jp
取材・文責:栗原 純一
濱田氏、多田氏との意見交換の中で、特に中小企業においては、①経営者の理解の必要性、②他社との差別化に向けたIoT・AI技術導入の在り方についての話があがりました。
経営者の理解については、部下に対して「何か考えてこい!」ではなく、経営者自身がある程度IoT・AI技術を理解し、適用範囲等の大枠を示している企業の方が導入・活用が上手くいっている傾向があるそうです。導入・活用事例の中で、これらの項目についても収集できると参考になるのではないでしょうか。
一方で、「身近な事例が欲しい」との要望は理解できますが、その事例をそのまま適用しても、他社との差別化にはつながりません。本来、製品・サービスによる事業化を検討する際の「解決を図りたいペインや課題」、あるいは「変革したいライフスタイル」から、そのために必要な情報・データ→IoT、AI技術を洗い出していくべきではないかとの話もあがりました。
すべての事例において、このようなステップで検討できるとは限りませんが、視野を広げた検討を行い、その企業独自のIoT、AIの導入・活用事例が増えるとよいのではないでしょうか。今年度から着手されたとのことで、今後、成果が創出した際に、再度取材してみたいです。
取材協力:香川県産業技術センター
企画情報部門 主席研究員 濱田敏弘氏
システム技術部門 主任研究員 多田幸弘氏
URL http://www.pref.kagawa.lg.jp/sangi/index.html
E-MAIL desk@itc.pref.kagawa.jp
取材・文責:栗原 純一