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上勝町の葉っぱビジネスにおけるビジネスモデル30年の改良(H29.3)

葉っぱビジネス
 
葉っぱビジネス
【葉っぱビジネスのスタート】

徳島県上勝町(世帯843、人口 1,733人、高齢化率 51%)は、徳島市からバスを乗り継いで2時間の山間にある町で、昭和45年は、みかんの町として1億5千万円出荷していました。しかし、昭和56年の-12℃の大寒波でみかんの木が大打撃うけ、町の将来が見通せなくなりました。

横石知二氏(株式会社いろどり 現社長)は、そんな最中、大阪の居酒屋で女性客が“綺麗な葉っぱ”をハンカチに包んで持ち帰ったのを見て“これはビジネスチャンス”があると確信し、昭和61年から“葉っぱビジス”をスタートしました。

当初は4軒からスタートした葉っぱビジネスは、約30年をかけてビジネスモデルを改良していくなか、現在は200軒が参加し、320種類の葉っぱを育てるまでに至っています。平均年齢70歳の高齢者が葉っぱを生産し、隙間(ニッチ)産業として、他には真似の出来ない多品種少量生産ビジネスモデル(年商2億6000万円)を構築していました。

【葉っぱビジネスと高齢者】

この葉っぱビジネス、そもそも高齢者を対象にしたビジネスモデルとして考案した訳でなく、地域の資源(資産)を考えた末のビジネスモデルとのことでした。高齢者が参画する事業では、高齢労働者へのICTの活用システムの構築と使い方講習会など丁寧な対応が必要であるとしていました。

【事業立ち上げの苦労】

田舎町には、住民自身が役立っているという感覚はあるが、都市部では個人(自分)の役割が見えなくなっているのではないか、とはいえ田舎では、昔から「変える事」を好まないため、田舎には、事業(元気な仕事にになる仕組み)をプロデュースしていく力が大切ではないかと考えたそうです。

また、田舎では、あなた(他人)を参加させる事に時間がかかるため、コンサルが分析するようなビジネスモデルは、田舎では機能せず、「誰に相談する」と「実行できるか」現場の動かし方などに配慮する事が大切であるとのことでした。

主役は住民です。田舎で住民が動く為には信頼のおける人の発言が重要ですが、この点“他人に教える事が好き”な頼もしいおじいちゃん・おばあちゃんが大勢いることは強みとなります。事業を推進する人材は「身の丈+α」の作業を提供する事が大事であり、若い人には「やらせてみる」事が重要であるとしていました。

参考 「高齢社会における市区町村が抱える課題(ニーズ調査)」および「高齢者の就労支援対策等に資する具体的事例および課題の調査・検討」H27.3 JISTEC委託事業

取材・文責 中﨑 正好
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