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研修会・研究会の実績報告
「未来の地域づくりに繋がる教訓を掲載」
平成30年度【福島県・郡山開催】医療・ヘルスケア産業の加速に向けたボーダレス・エコシステムの形成 (H31.2) プログラム
第26回「地域を活かす科学技術政策研修会」平成30年2月 郡山開催
「医療・ヘルスケア産業の加速に向けた ボーダレス・エコシステムの形成」とのテーマのもと福島県郡山市で開催した第26回「地域を活かす科学技術政策研修会 in 福島県郡山」は、医療・ヘルスケアについて、産学官の専門家を招いて、ワークショップを含めたセミナーとして開催致しました。
先駆的・先進的な取り組みを展開する福島県郡山市、兵庫県神戸市、神奈川県川崎市の事例をもとに、ボーダレスなネットワークやエコシステムについて理解を深めるとともに、創薬と医療機器開発における産や学の課題について、解決の方向性を検討しました。
全国の医学系大学 23機関・国研 2機関(AMED・JST)・企業 30社・その他 2機関・地方自治体 9機関・財団 9機関・公設試 2機関より134名の皆さまにご参加を頂き、課題への解決の方向性についてさまざまご提言頂き盛況のうちに、終了致しました。
◆ワークショップ
2日目のワークショプでは、大学におけるTRの取り組みの方向性の検討と医療・ヘルスケア拠点における取組みの工夫点を踏まえたアライアンスについて検討を行いました。
「医療・ヘルスケア産業の加速に向けた ボーダレス・エコシステムの形成」とのテーマのもと福島県郡山市で開催した第26回「地域を活かす科学技術政策研修会 in 福島県郡山」は、医療・ヘルスケアについて、産学官の専門家を招いて、ワークショップを含めたセミナーとして開催致しました。
先駆的・先進的な取り組みを展開する福島県郡山市、兵庫県神戸市、神奈川県川崎市の事例をもとに、ボーダレスなネットワークやエコシステムについて理解を深めるとともに、創薬と医療機器開発における産や学の課題について、解決の方向性を検討しました。
全国の医学系大学 23機関・国研 2機関(AMED・JST)・企業 30社・その他 2機関・地方自治体 9機関・財団 9機関・公設試 2機関より134名の皆さまにご参加を頂き、課題への解決の方向性についてさまざまご提言頂き盛況のうちに、終了致しました。
◆ワークショップ
2日目のワークショプでは、大学におけるTRの取り組みの方向性の検討と医療・ヘルスケア拠点における取組みの工夫点を踏まえたアライアンスについて検討を行いました。
(大学におけるTRの取組みの方向性について)
大学におけるトランスレーショナルリサーチ(TR)の取り組みの方向性として、TRは社会実装が目的であり事業化を目指すこと、またTRの赤字事業を回避するためには事業の規模やハードル(リスクマネジメント)をきちんと見定め事業計画を策定することなどが検討されました。どのように進めていくべきかの検討の場を皆さんと継続して考えていきたいと思います。
(医療機器の参入の実態と取組みの方向性について)
医療機器の参入については94%が治験の必要がなく治験はほぼ外資系企業が行っていることを認識しました。また医療機器の参入が難しいのは、目指す製品が高機能な後発医療機器が多く、治験が必須な画期性加算(50~100%)との関係に乖離があることが分かりました。 また厚労省は再生医療のプロジェクトにおいて効果を類推することで早期承認を行うなど技術のブリリアントから市販後の医療上の効果を注視するようになり柔軟な考えにシフトしていることの情報提供がありました。解決に向けて必要なことは何か-ニーズから供給、効能効果までを始めからすべてを考えることが必要であり、このためには医療の分かる人材が入ることが指摘されました。
(オープンな場での専門家との連携)
解決に繋がる人材との連携については、米国のFDAはオープンな場でないと参加できないようにレギュレーションのひとがオープンな場に参加することが肝であること、若いひとが枠を越えて集える場の工夫が大切であることのお話があり、これらを通じて“誰がどこで何をやっているか”顔の見える関係を築くことの大切さを改めて確認でき、今後の連携の場の展開のヒントが得られました。
(医療機器のテーマ設定について)
拠点の特長については、ふくしまはきょうのテーマ、神戸は明日のテーマ、川崎はあさってのテーマとの譬のお話があり、それぞれが取り組む時間軸の特長を活かして医療機器の取り組むべきテーマについては学会を巻き込みガイドラインを形成するONE VOICEとなるような「骨太なテーマ」の検討が提言されました。
(結び)
“ボーダレスなエコシステムの形成”は、先ず国内の強みをグローバルな強みとしていくために具体的なアライアンスからはじめて行くことと結論付けられました。最後は“決起大会”ということでふくしま、川崎の皆さまよりご提言があり閉会をせずに終了となりました。
◆施設見学
約80名の方が4グループに分かれて施設見学を実施しました。
・100頭の実施例があり、施設の使用料は 258,000円/日 60~70万円/件
1クール 30名程度のご参加が多い旨ご説明がありました。
・医療機器センターは間もなくGLP対応施設として開設されます。
(結び)
企業からの予約でいっぱいでした。企業内での実験施設は部署での取り合いもあり、こうした施設のニーズも多いようです。大型動物を利用したニーズは医療機器以外に製薬企業等からもご相談があるようで将来に向けた対応が課題となっていました。
文責 鈴木 久美子
大学におけるトランスレーショナルリサーチ(TR)の取り組みの方向性として、TRは社会実装が目的であり事業化を目指すこと、またTRの赤字事業を回避するためには事業の規模やハードル(リスクマネジメント)をきちんと見定め事業計画を策定することなどが検討されました。どのように進めていくべきかの検討の場を皆さんと継続して考えていきたいと思います。
(医療機器の参入の実態と取組みの方向性について)
医療機器の参入については94%が治験の必要がなく治験はほぼ外資系企業が行っていることを認識しました。また医療機器の参入が難しいのは、目指す製品が高機能な後発医療機器が多く、治験が必須な画期性加算(50~100%)との関係に乖離があることが分かりました。 また厚労省は再生医療のプロジェクトにおいて効果を類推することで早期承認を行うなど技術のブリリアントから市販後の医療上の効果を注視するようになり柔軟な考えにシフトしていることの情報提供がありました。解決に向けて必要なことは何か-ニーズから供給、効能効果までを始めからすべてを考えることが必要であり、このためには医療の分かる人材が入ることが指摘されました。
(オープンな場での専門家との連携)
解決に繋がる人材との連携については、米国のFDAはオープンな場でないと参加できないようにレギュレーションのひとがオープンな場に参加することが肝であること、若いひとが枠を越えて集える場の工夫が大切であることのお話があり、これらを通じて“誰がどこで何をやっているか”顔の見える関係を築くことの大切さを改めて確認でき、今後の連携の場の展開のヒントが得られました。
(医療機器のテーマ設定について)
拠点の特長については、ふくしまはきょうのテーマ、神戸は明日のテーマ、川崎はあさってのテーマとの譬のお話があり、それぞれが取り組む時間軸の特長を活かして医療機器の取り組むべきテーマについては学会を巻き込みガイドラインを形成するONE VOICEとなるような「骨太なテーマ」の検討が提言されました。
(結び)
“ボーダレスなエコシステムの形成”は、先ず国内の強みをグローバルな強みとしていくために具体的なアライアンスからはじめて行くことと結論付けられました。最後は“決起大会”ということでふくしま、川崎の皆さまよりご提言があり閉会をせずに終了となりました。
◆施設見学
約80名の方が4グループに分かれて施設見学を実施しました。
・100頭の実施例があり、施設の使用料は 258,000円/日 60~70万円/件
1クール 30名程度のご参加が多い旨ご説明がありました。
・医療機器センターは間もなくGLP対応施設として開設されます。
(結び)
企業からの予約でいっぱいでした。企業内での実験施設は部署での取り合いもあり、こうした施設のニーズも多いようです。大型動物を利用したニーズは医療機器以外に製薬企業等からもご相談があるようで将来に向けた対応が課題となっていました。
文責 鈴木 久美子